W61cm x D30cm x H93.4cm
職人の執念と、大正期の美意識が真っ向からぶつかり合い、長い時間をかけて結実した記憶に残る一品。ラワン材で仕立てられた、大正期のアンティークシェルフです。
この作品は、一度すべてを分解し、構造の芯から再構築を施しました。修繕を担当した職人が「これはすごい戦いだった」と振り返るほど、当時の材特有のねじれや歪みと対峙し続けた作品です。特に扉の調整は困難を極め、木材のねじれに合わせて位置を割り出し、さらに「玉締まり」が四季を通じた木の伸縮に左右されず機能し続けるよう、現在の気候を鑑みたコンマ数ミリの精度で、絶妙な調整を施しています。構造自体もしっかりと見直し、本棚や食器棚としても安心してお使いいただける堅牢な強度を確保しました。
細部へのこだわりは意匠にも宿ります。取手にはICCAオリジナルの鋳物を採用。中央の「ぶらり取手」は、真鍮パーツを組み合わせて特別に製作した、この作品ならではのアクセントです。引き出し内部には新たな底板を入れ、古いものの情緒はそのままに、現代の暮らしにふさわしい清潔感を持たせました。
無塗装で仕上げられたラワン材の素朴ながらも力強い質感は、年月を重ねるほどにさらなる深みを増していきます。職人の意地と情熱によって次世代へと繋がれた、物語のある一台。日々の暮らしの中で、その手触りと機能美をぜひ確かめてみてください。
- 状態の良いアンティークですが、詳細画像以外にも小さな小傷や、多少の歪みがございます。
- 扉の玉締まりは現在の気候に合わせて極めて精密に調整しておりますが、極端な乾燥や湿気により固さが変化する場合がございます。
- 素材
- 本体:ラワン材 / 取手:真鍮(ICCAオリジナル・一部特注)
- 仕上げ
- 無塗装
- 状態
- 良好(フルレストア済み)