ICCA(イッカ)では明治・大正・昭和初期に作られたアンティークの和家具や雑貨を取り扱っています。アンティークとは、フランス語で骨董品、100年以上もの時を経て現代に残るものを指します。ICCA(イッカ)では、古道具や古家具を総じてアンティークと呼んでいます。
日本で100年前というと、明治維新から文明開化で近代国家へと邁進していた時代。
人々の暮らしぶりも大きく変化しはじめた頃です。和家具もその流れを受け、その時代に製造されたものは西洋のデザインが取り入れられたモダンな印象があるのが特長です。
私たちは、大正ロマン・和洋折衷・和モダンと呼ばれているようなデザインが好きで、ICCAのラインナップの多くは主にその時代のものです。
とても魅力的なデザインの家具ではあるのですが、当時の暮らしに合わせて作られているため、すべてが現代の暮らしに合うとは限りません。
そこで、新たに「見立て」ます。この「見立てる」ことがアンティーク家具を使ったインテリアを楽しむ醍醐味のひとつだと思っています。
「見立てる」とは、「ものを本来のあるべき姿ではなく、別のものとしてみる」という工夫のことで、もともとは千利休が独自の美意識で本来茶の道具ではないものを茶道具として茶の湯の世界に取り込む工夫をしたことからはじまったと言われています。
今回はそんな「見立て」を楽しみながらアンティークのインテリアの事例をいくつかご紹介いたします。
文机からリビングテーブルへ
今となってはダイニングテーブルやデスクといった家具が主流ですが、明治・大正・昭和初期ごろは、まだちゃぶ台や文机がメイン。座卓/文机を利用して勉強したり、本を読んだり、書きものをしたり。フローリングの住宅が多くなった今ではなかなか床に座ってという生活は難しいですね。
ICCA(イッカ)ではこの座卓の中でも少し背が高く奥行きが狭いものを選び、ソファ前などに置くリビングテーブル/コーヒーテーブルとしてご提案しています。
文机なので引き出しがついているものが多くとても便利。アンティークの質感もインテリアとして一味違う空間を演出してくれます。
小ぶりの展示ショーケースからSECOND KITCHENへ
ケビントと呼ばれる医療棚や化粧品などを展示する小ぶりな展示ショーケースを「大切な人をもてなす」SECOND KITCHEN(セカンドキッチン)へ。リビングに置いて、家族の為にコーヒーやお茶を入れる場所に見立てました。上の写真のショーケースはもともと化粧品を展示・陳列する棚として使われていたもの。家具に印字された文字を消してキャスターを付け、ガラス棚を取り替えることで新たな役割を得ました。
SECOND KITCHEN(セカンドキッチン)詳細はこちらを御覧ください。
鳥かごのスタンドを間接照明へ
?型のスタンドライトはもともとは、明治・大正時代には鳥かごを吊るすスタンドとして利用されていました。そのスタンドに大正ロマンガラスと言われる乳白の小ぶりな照明を取り付けると高さも雰囲気もいいスタンドライトに。リビングや寝室を照らす間接照明・インテリアとして生まれ変わりました。
謎の棚をコンソールテーブルへ
時には利用用途がわからないものもあります。実はこの棚の引き出しの底は格子状になっています。
通気性を重視していたということ以外その理由はわかりません。どのような使われ方をしていたのかもわからないミステリアスな棚です。
しかしそのサイズ感や、重厚でありながら軽やかな雰囲気は他にはない魅力があります。玄関前に置くコンソールテーブルにぴったりだろうということで、季節を楽しむコンソールテーブルとしてご提案しています。
違う使われ方をしていたものを、現代の暮らしにそう形へと「見立てる」。
ぜひ創造を膨らませて、見立てを楽しみながら、素敵なアンティークのインテリア・暮らしを演出してみてください。